成羽愛宕大花火を始めた 成羽藩山崎候について調べてみました |
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成羽藩山崎候の江戸屋敷の考察 | ||
上屋敷の位置の考察から成羽藩を立藩した前期山崎候時代に『愛宕下』に江戸上屋敷があり、後期山崎候時代に丸亀藩から成羽領になった時に『麻布一本松』に移転していたことがわかりました。 | ||
@上屋敷の位置の考察はこちら | ||
上屋敷の大きさについての考察 そこで、ここでは上屋敷の大きさについて考えてみましょう。 |
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◆麻布一本松の上屋敷(成羽藩後期山崎候時代)の考察 成羽藩後期山崎候の上屋敷は麻布一本松にありました。江戸古地図で山崎候の周辺の大名を調べてみると、だいたい5万石以下の上屋敷がありました。 近くの六本木ヒルズは毛利家の上屋敷跡ですけど本家の毛利家ではなく分家の4万石(長州藩の支藩)になります。 伊達家は100万石ですが、上屋敷ではなく下屋敷になります。 |
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1849年 麻布絵図 (上が北) 国立国会図書館デジタルコレクション(インターネット公開情報保護期間満了)資料より |
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山崎候の上屋敷の大きさについて、ネットで調べてみましょう。 がま池伝説を詳細に紹介したHPに『屋敷の広さは11,396坪、池の広さはだけでも500坪ありました。』と記述がありました。他にもがま池伝説を紹介しているHPには『池の広さだけで500坪もありました。』と池の広さについてのは記述は多くありました。 そこで、実際にグーグルマップで測ってみましょう。現在では、元麻布ヒルズの前のアルゼンチン大使館がある辺りが山崎候の上屋敷でした。 現在でもがま池は残っています。そこには『ザ・ハウス ガマイケ』と言うマンションが建っています。 |
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紫色の台形が成羽藩山崎候後期の上屋敷 グーグルマップより (上が北) |
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江戸時代の古地図と現在の地図を照らし合せてみると台形みたいな形になります。台形をざっと長方形に直してみて、縮尺で測って換算すると、約185m×約170mとなります。 面積は約31,450u=約9,510坪となりました。 がま池伝説を紹介したHPの11,396坪にほぼ近寄った値になりました。 |
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1738年(元文3年)の規定によると、1〜2万石の大名で2500坪、5〜6万石で5000坪、10〜15万石で7000坪などとされていたとありました。しかしこれより広大なことが多かったそうです。 それにしても、広大な上屋敷になることになります。 |
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◆愛宕下の上屋敷(前期山崎候時代)の考察 | ||
では前期山崎候時代の愛宕下の上屋敷の大きさを調べてみましょう。 | ||
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紫色の長方形が成羽藩前期山崎候の上屋敷 赤丸が愛宕神社、赤線が愛宕通り グーグルマップより(上が東) |
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江戸時代の古地図と現在の地図を照らし合せてみると西新橋辺りの長方形になります。縮尺で測って換算してみると約60m×約80mとなります。
面積は約4,800u=約1,450坪となります。 |
江戸古地図と武鑑による成羽藩山崎候の江戸屋敷の考察でわかったこと |
成羽藩を立藩した前期山崎候時代に『愛宕下』に江戸上屋敷があり、後期山崎候時代に丸亀藩から成羽領になった時に『麻布一本松』に移転したことがわかりました。広さは『麻布一本松』の方が10倍も広いことがわかりました。また、江戸後期になって頂いた下屋敷ですが、前期山崎候の愛宕下の上屋敷より広い下屋敷を頂いたことになります。 山崎候は丸亀藩5万石から成羽領5000石になった時に上屋敷の土地を狭くされてしまうどころか逆に広くなりました。 これより考えてみると、山崎候5000石の交代寄合としては、広大な敷地を頂いていて、丸亀藩から成羽領に格下げになった時に、山崎候の徳川家に対する貢献の大きさに特別の待遇を受けていたのではなかろうかと思います。 |
成羽藩山崎候の歴史 |
成羽藩山崎候の江戸屋敷の考察:位置@ |
成羽藩山崎候の江戸屋敷の考察:大きさA |
成羽藩山崎候と愛宕花火 |
成羽藩山崎候の江戸屋敷の訂正 |
愛宕花火の参考文献 |
◆麻布白金の下屋敷(成羽藩後期山崎候時代)の考察 |
成羽藩後期山崎候時代に下屋敷は麻布白金にありました。では下屋敷の広さを調べてみましょう。 |
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復刻古地図 1857(安政4年)目黒白金絵図 人文社 (上が北) |
紫色の長方形が成羽藩後期山崎候の下屋敷 グーグルマップより (上が北) |
江戸時代の古地図と現在の地図を照らし合してみると白金の白金氷川神社の前辺りの長方形になります。 縮尺で測ってみると約70m×約80mとなります。 面積は約5,600u=約1,700坪となります。 江戸後期になって頂いた下屋敷ですが、前期山崎候の愛宕下の上屋敷より広い下屋敷を頂いたことになります。 |